俺(なんだこれ、どうするどうする!!)
俺(誰だよ!?女!?っていうか子供!?
ハッ、警察……!?)
俺(いや待て待て、今下手に刺激して
叫ばれたりしたら逆にヤバくないか)
頭に浮かぶ「拉致監禁暴行容疑」という文字………。
完全に頭が真っ白になった俺は、
いかに容疑を掛けられずに
穏便にこの娘を起こすかを考えようとした。
だが焦ってしまい何も思い浮かばず
アタフタしているうちに彼女が目を開けた。
ぼーっとした目でこちらを見る女。
うつろな目が段々確かになってくるとともに
目が見開かれていき、
ついに俺としっかり目を合わせた時には
驚愕の表情になった。
女
「いやぁあああああああ!!!!!!!」
俺
「うわぁああああああああ!!!!!!」
叫ぶと同時に布団で体を覆う女。
なぜかつられて叫ぶ俺。
パニクった俺は矢継ぎ早に言い訳をした。
「待て待て待て待てここ俺んちだから
俺んちだから俺んちだから君だか俺知らないし
知らないからここ俺んちだから
今帰ってきたところだから仕事帰りだから
会社から直帰だからここ俺んちだからぁあああ!!」
女「きゃああああぁぁっぁ……………あ?」
叫びながらも俺の声が聞こえたのか、
叫ぶ声が小さくなっていきついには疑問形に。
叫んだせいか高潮した顔は、
もともと白い肌のせいで色っぽく見えた。
叫ぶのを止めた女は周りを見回した。
おそらく、間取りや作りが
同じアパートのものだと気づいたのだろう。
震える声でこう言った。
女
「あの………ここ………何号室ですか」
俺
「ここ俺んちだからこ………
あ、えっと、……305だけど」
そう応えると女は更に顔を真赤にして
布団で顔まで隠して倒れこんだ。
そこで俺もピンと来た。
俺
「もしかして………あの、このアパートの住人?」
嫁
「……………405です…………」
俺
「…………」
つまり、酔っていたせいで階を一階間違えてしまい、
玄関の鍵が空いていたため部屋に入り鍵をかけ、
服を脱ぎそのまま寝てしまったと。