俺
「あの、失礼かもしれないけど、
未成年じゃないよね?」
女
「よく言われます。これでも26なんですよ」
俺
「え!?俺のいっこ上!?
すみません、タメ口きいてしまって」
女
「いいんです。私は敬語のほうが落ち着くし、
相手はタメ口のほうが好きなんです」
俺
(ほんとかよ……)
15分程で料理が並んだ。
ぶりの照り焼き。きんぴらごぼう。
枝豆の白和え。ワカメとネギの味噌汁。
余談だが俺は料理にうるさい。
たった15分でこれだけのメニューが出てくるのは、
非常に手際がいいことが分かった。
きんぴらは常備菜なんだろう。
普段から料理しているとが伺えた。
ちょっと衝撃的だったので
この日のメニューを今でも覚えてる。
俺
「料理、上手なんですね」
嫁
「上手かどうか分からないですけど、好きですね。
あ、敬語じゃなくていいですよ」
俺
「じゃあ、頂きます」
嫁
「ビールでいいですか?」
俺
「いや、酒までは……」
嫁
「焼酎と日本酒もありますけど、
どっちがいいですか?」
俺
「……じゃあ、ビールで……
(こいつ酒好きなのか……?)」
料理はめちゃくちゃ美味かった。
ビールも発泡酒じゃなくて最高に美味かった。
食べている間、女は両手で頬杖を付いて
ニコニコしながら、俺が食べる様子を見ていた。
料理を食べ終えた俺は、お礼を言って、
女は改めて謝罪の言葉を述べて、
今度こそ連絡先を交換して別れた。