両親が妹に相手を聞くと、同級生Aだった。
次の日、A宅に電話して話し合いの場を
もうけようとするものの、電話口で(一切会おうとはせず)
『申し訳ないとは思うが子ども同士のこと』
『私は忙しくて時間が取れない』
『母子家庭でお金に余裕がない。』と取り合おうとせず。
それが何日も続いたある日、
ついに母はブチ切れ、
ボソッと
『あの家乗り込むわ』と言って上着を着て出て行った。
母一人で大丈夫か、と父に聞いても
『大丈夫だろ』と呑気に新聞を読んでいる。(使えねえ…)
俺が心配してるのそこじゃねえんだよな…
三時間後、母が
『妹の子どもは私らで育てる。異論は認めん。』と
言いながらなぜか晴れやかな顔で帰ってきた。
一同『そうなると思った』
イラついたように経緯を語っている母。
この母には何があっても逆らえない、と思いつつ、
翌日相手の家を訪問する予定になったそうなので着いて行った。
予想以上だった。
倒れた食器棚、そこから溢れていた割れた皿、
調理台のシンクには母の拳形の穴、
ブラウン管テレビにも拳大の穴、
半分に亀裂の入ったテーブル…
泣きすぎたのか目が腫れたA母と、
指先に包帯しているA、
母の顔を見た瞬間泣き出すA妹。